応急処置の方法 「足折れそう」

「足折れそう」 って何?
皆さんは、怪我をしたときの応急処置の言葉で「RICE(ライス)」と言うものをご存知ですか?
R rest 安静、I ice 冷却、C compression 圧迫、E elevation 挙上
それぞれの頭文字をとってRICE(ライス)というのですが、なんと言っても英語の略ですから、とっさの時に「C」は何の頭文字だったか思い出せなかったら困りますね。

そこで私はもっと皆に分かりやすい言葉で覚えていただきたいと思って、考え出したのが「足折れそう」です。
ハイキングやスポーツをする機会が多くなる季節です。また怪我は「いつ」「どこで」遭遇するか分かりません。
捻挫や打撲のほか、骨折や脱臼の可能性が伴う怪我の応急処置について、「足折れそう」でさらに説明します。

「あ」
あげるの「あ」ですが、患部を下げていると、重力により、内出血が進みます。上肢の場合は心臓と同じくらいに上げておきましょう。下肢の場合、椅子に腰をかけているなら、足を股関節と同じくらいの高さにし、寝ている時は、座布団などで、少し高くします。このことにより、抹消からの血液の還りを助けたり、内出血も軽減できます。
「し」
しずかに安静を保つの「し」です。患部だけではなく、全身の安静が必要です。患部の上下二関節をダンボールやなどで固定した方が楽になります。全身の循環を落ち着かせるために、座るか横になる方が良いでしょう。
「お」
押さえるの「お」です。包帯やテーピングなどで圧迫して、内出血による血腫を抑えます。注意しなければならないことは、必要以上に圧迫をかけすぎて、循環障害を起こさないようにします。処置した後は、しびれや抹消の手や足の爪を押してみて、すぐに爪の色が元の色に戻るか確認が大切です。
「れ」
冷却の「れ」で、血管は、温まると拡張して冷やすと収縮します。患部を冷やすと血管は収縮して、血流を抑えて、内出血を抑えます。また、患部周辺の代謝を低下させ、炎症を抑えます。一般的にアイシングは、アイスバッグやビニールに入れた氷などを使用しますが、無い場合はバケツの水や、流水でも良いでしょう。水以外の使用時は、凍傷には注意しましょう。一回のアイシングの目安は、15分程度で、患部の感覚が麻痺してきたらはずし、回復したらまた行うようにします。これを繰り返す必要があります。一時的にアイシングをして止めると、かえって循環がよくなって、症状が悪化することもあります。
「そう」
「そう」っと安全なところに移動します。

以上の基本的なものを頭に入れて置いてください。

2016年6月17日